好感触のレンタカー
高度経済成長期以来の“作れば売れる”を前提としてきたマス・マーケティングの論理が破綻し、消費者の購買選択権を見つめ直すところから、新たな戦略構築への地平を見い出そうとする動きと言うことができる。
また、これまでの流通機構は、生産力の発展に対応する販路拡大が基本的機能であった。
したがって、メーカーが生産する製品をメーカーに代わって販売するための代理機能として位置づけられてきたと言えよう。
小売業と卸売業とでは業態や機能が異なるにもかかわらず、同じ「流通業」とみなされている。
いまだにメーカーの販売代理機能として、伝統的な流通論が牢固としてはびこっている様子もある。
メーカーを流通構造の頂点にすえた流通機構論は、生産力、供給力が需要を上回り始めたと言われる1980年代に入ってから急速に説得力を失い始めた。
“飽食の時代”“モノばなれ”“売れ筋がつかめない”“客の顔が見えない”等々、メーカーや小売業の嘆きが広がり、手さぐり状態の新製品ラッシュが始まったのである。
新製品ラッシュは、消費者の変容をとらえられない伝統的なマーケティングの苦肉策であったと言えよう。
だが、結果は“返品の山”という形で厳しく批判されることとなった。
この批判を受けとめたメーカーは、小売店頭と自社とを情報ネットワークによって結び、店頭情報を製品開発や市場戦略に反映させる政策に転換した。
小売業もまた、「(メーカーの)販売代理業から消費者の購買代理業へ」を企業理念として掲げ、POSデータを駆使した単品情報の分析によって、一品、一品の動きの中に消費者の心をとらえようと努力している。
消費者不在の流通政策今日、わが国の流通政策の基本的理念は、“消費者利益の確保”に転換した。
従来からの政策として推進されてきたのは、中小流通業者の経営活性化の助成策(商店街への支援等)が中心となっていた。
中小流通業者の経営近代化と消費者利益の確保をひとつの範躊でとらえようとすれば、企業と個人との利害関係を捨象することになり、論理的整合性を欠くことになると言える。
あえて政策の理念として“消費者利益の確保・増進”を掲げているのは、自由、かつ公正な競争原理を基調とする経済体制下の流通政策であることを明確化するためだ。
つまり、競争メカニズムを機能させる主体として消費者を強く意識しているからである。
しかし、わが国の産業政策の基本方針は、国民生活の成長、発展の主体が企業であるという基本的認識のもとに策定されている。
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